事例レポート

清水建設株式会社 フォトラクション

国内でも海外でもシームレスに使えるサービス「Photoruction」が国境や言語を越えて実現する現場の安全・品質管理

清水建設株式会社
ジャカルタ営業所 現場所長 山田 眞基 氏
グローバル事業推進室 情報システム部 企画推進グループ グループ長 武井 英明 氏
ジャカルタ営業所 現場担当 田住 亮 氏

1804年に創業された清水建設。越中富山の大工であった初代清水喜助が江戸・神田鍛冶町で開業したことに始まる。創業以来、数多くの建造物を世に送り出してきており、東京・新宿の「モード学園コクーンタワー」やシンガポールの「CHANGI GENERAL HOSPITAL MEDICAL CENTRE」など多岐にわたる施工実績を誇る。
今回は、現在国際支店で業務に取り組んでいる同社のグローバル事業推進室 情報システム部 企画推進グループ グループ長 武井英明氏、ジャカルタ営業所所属、現場所長の山田眞基氏と現場担当の田住亮氏の3名に、フォトラクションの建築・土木の生産支援クラウドサービス「Photoruction」の導入経緯などについてお話を伺った。

海外の現場にPhotoructionを導入する経緯について

「従来使用していたシステムは、導入時のコストや、情報の伝達やアップデートに時間がかかったりするなど、スムーズにいかない部分がありました。Photoructionは、初期導入費が安価でしたし、課題であった情報の伝達とアップデートが早かったのも選んだ理由です」と語るのは、現在、インドネシアのジャカルタの現場で所長を務める山田氏である。

清水建設株式会社 ジャカルタ営業所 現場所長 山田 眞基 氏

情報システム部 企画推進グループ グループ長の武井氏は「清水建設は日本国内全現場へのタブレット導入等、ICT活用による生産性向上に取り組んできました。3~4年前から海外の現場でもICT活用に取り組み始め、日本で導入しているサービスを利用しようと試みましたが、海外では対応できない部分などがありました」と、さまざまなサービスを探す中で、同社本社の担当者経由でPhotoructionのことを知り、問い合わせしたことがきっかけだったという。
その後、「社内テストを行いPhotoructionであれば、既存のシステムを置き換えられ、海外現場でも使用できるのではないかと思いました。施工管理に必要な情報を一元管理できるためコスト削減が見込める点も評価し、Photoructionを選びました」と語る。

清水建設株式会社 グローバル事業推進室 情報システム部 企画推進グループ グループ長 武井 英明 氏

さらに導入の決め手となったポイントとして、「それともう一つは、会社の代表が海外の現場まで来てくれた行動力、意欲、熱意に心を打たれましたね」と山田氏。武井氏も「私も導入説明と現場見学にフォトラクション代表の中島さん、営業担当の野崎さんと加藤さんの3人でインドネシアのジャカルタとシンガポールに実際に足を運んでくれたことに熱意を感じ、フォトラクションのみなさんの行動力に感動しました。フォトラクションのみなさんは、我々とワンチームになっていただける企業だと思えたことが導入を決めた大きな理由です」と語り、フォトラクションの熱い想いを高く評価したことが伺える。

遠隔でのタイムリーな安全・品質管理、カスタマイズ性の高さが強み

今回、実際にPhotoructionを使ってみたの感想を具体的に語ってくれた。武井氏は「自由なフォーマットの書類作成ができる「フィールドレポート」など、カスタマイズ性が高いことが魅力だと感じています。現場ごとにカスタマイズできるところに使い勝手の良さを感じました。既にジャカルタの複数現場でこの機能が活用されています」。
ジャカルタ営業所 現場担当の田住氏は「いままでは、大量の写真をパソコンでフォルダ階層にして管理していたのですが、Photoructionは写真をタグでフィルタ分けして管理できるため検索性が高く使いやすかったです」と、まず写真管理に関してのメリットを挙げた。また「海外では日本ほど通信環境が安定していません。特に現場内だとその傾向が強く、通信できない場所も多いです。ICTツールを導入しても通信環境がないため作業ができないとなると導入する意義そのものが危うくなってしまいます。その点、Photoructionは通信環境が悪い時はオフラインで写真撮影や検査等の作業をして、通信環境が回復した時にデータ同期を行うことが可能なので大変助かっています」。

清水建設株式会社 ジャカルタ営業所 現場担当 田住 亮 氏
海外の現場でも使えるサービスを目指して共に協力していく

清水建設のジャカルタの現場では、前述のとおりPhotoructionを利用しているが、やはり新型コロナウイルスの影響を受け、現場に戻れないといった状況が続き、遠隔での安全・品質管理の方法が課題になっていた。Photoructionの活用により、現場での各作業の施工状況をタイムリーに写真付きで確認できるようになり管理に役立っているという。
そして、現在、フォトラクションは海外現場での利用を意識したシステムを開発中である。
山田氏は、このシステムについて、「日本でも海外でも同様に品質管理は重要な業務です。さらなる業務効率化を目指すために、現場のニーズに沿ったシステムを求めています。国や言語の壁を越え、かつ操作性良く使うことができること。理想はとにかく使いやすいこと、シンプル・イズ・ザ・ベストなシステムですね。海外現場での現状課題を解決するようなカスタマイズ機能の向上にも期待しています」。
さらに「また、私たちが担当する現場は規模が大きく、膨大な量のデータをやり取りします。よって現場でも使い勝手が良いシステムである事が必要です」と、重視するポイントも挙げ、「躯体工事だけでなく仕上げ工事から竣工までサポートできるワンストップなサービスであることを期待しています。より良いシステムになるよう海外現場の課題等の情報共有を行いながら、弊社も協力していきたいと思っています」と前向きだ。
続けて田住氏も「システム開発の中でも、配筋検査システムに期待しています。誰が検査者であっても一定の品質を担保できる品質管理の補助ツールとして、ヒューマンエラーが起こった際もサポートしてくれるシステムになると良いですね。実際に配筋検査システムのデモを使用してみての感触ですが、検査者の検査コメント、検査写真の履歴がPhotoruction上には残ります。また、是正指示に対するレスポンスの履歴もクラウド上に残り、検査者本人だけではなく管理者など誰でもその履歴を確認できるため、検査そのもの透明性が高くなると感じました」。そして、「配筋検査は①検査の準備、②検査、③検査の承認の流れで進みます。この流れが円滑になれば配筋検査の質向上につながります」と語り、Photoructionには②検査だけでなく、①検査の準備と③検査の承認の部分に関しても手厚くサポートする機能の開発にも期待しているという。

さまざまなデバイスで利用できる「Photoruction」

そして、今後の展望として山田氏は、「清水建設には「論語と算盤」という社是があり、その精神が受け継がれてきました。また、経営理念に“真摯な姿勢と絶えざる革新志向により社会の期待を超える価値を創造し持続可能な未来づくりに貢献する”を掲げており、この方針のもと、事業を行うことで品質を確保し、清水建設の価値、現場と人を育てています」と語る。
また、「清水建設は、SDGsへの取組みの一環として、これから先の10年先へ向け、時代を先取りする価値を創造し、スマートイノベーションカンパニーとして、持続可能な未来社会を実現したいという目標があります。海外での事業展開にあたり、海外の文化、国民性の違いなどに対し、どのように彼らの文化を学び、融合と対応をしながら、如何に価値を高めていくかを考えてきました。現場管理とは、品質はもちろん安全管理も重要です。その管理を徹底するにはどうしたらよいかというと、やはりルールを守ることが大切です。私が入社して5年目の現場で、その時の所長が言っていた現場管理の方針として、“A(当たり前)、B(ぼんやりしない)、C(ちゃんとやる)”があります。これが根本なのですが、これを関わる人全員に守らせる、ましてや海外の文化や言語、地域などの違いがある中で、それを守らせて日本の水準の建物、日本と同様の品質を保つのは難しい。日本の常識は通じないなか、どのように対応していくかが課題になっています。どのようにスピーディーにフレキシブルにスムーズに対応していくのか、ICTツールはその課題解決の糸口になってほしいと思っています。
建設業界は、IT化が遅れていますが、そういったところを変革しなければならないし、挑戦していかなければならないと思っています。それに挑戦していくパートナーとしてフォトラクションがあると思っています。国境を越えて、文化を超えて、言語を超えて、使えるシステムを一緒に作っていきたい」とフォトラクションに期待する。
武井氏も「建設業界で課題となっている品質管理のルール等の標準化に向けて頑張ってもらいたいです。今後、建設業界のIT化は急激に進んでいくと思いますので、Photoructionはその中心システムとして、建設業界のITを担うスタンダードサービスとなって欲しいです」。
田住氏は「私が入社した当時、全現場にタブレットが導入されました。そのこともあって、入社した時から業界・業種の形を変える転換期が始まっていると肌で感じながら日々業務にあたっています。今後、フォトラクションとは業界の発展のために一緒に協力していきたいと考えています」。システム開発などをとおして、現場で働く人にとって使いやすいサービスを目指すとともに、建設業界をよりスマートにすることを目指すフォトラクションに、今後もさらなる期待が集まるだろう。

CORPORATE PROFILE

会社名 清水建設株式会社
創業 1804年 設立 1937年
所在地 東京都中央区
代表者 代表取締役社長 井上 和幸

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